
小さい頃からアニメを見ていると一度は声優になりたい!と思ったことのある人は多いのではないでしょうか。しかし、声優という職業は人気が高く、倍率が高いのでそれなりに努力をしなくてはなりません。今回は独学で声優になれるのか、声優になるための独学での練習方法をご紹介していきます。
声優のお仕事とは
まず声優のお仕事についてですが、一般に「アニメのキャラクターの声」というイメージが強いかと思います。 他にも、「ゲームのキャラクターの声」や「洋画の吹き替え」など、何らかの役を演じる印象が強いお仕事ですが、近年ではその他にも活躍できる場が広がっています。
例えば「ラジオのパーソナリティ」や「イベントの司会進行」といったお仕事、更にはルックスや歌唱力が高い声優さんの場合、歌手としてのお仕事もありますね。
とはいえ特に後者3つは、声優としてそれなりに人気が出てきて初めて得られるお仕事になるかと思いますので、声優になりたい!と思った時にまず目指す目標としてはやはり何らかの「役」を演じることになるのではないでしょうか。
声優になるには
声優として、「役」についてのお仕事をもらうには、基本的に「オーディション」が必要になります。映画の吹き替えやアニメのキャラクターなど演じる役を決めるオーディションです。
形式は様々ですが、一般にイメージされるのは、監督などのスタッフ、時には原作者など、制作に携わる人たち=審査員の前で、応募者が順番に、あらかじめ指定されたセリフや場面を演じるといった内容です。
演技力や、発声はもちろんのこと、制作者達のもつ「その役のイメージ」に近いかどうかが審査対象となります。
例えば「マクロスF」の「ランカ・リー」役に選ばれた中島愛さんのように、そのキャラクターのイメージにぴったり合えば、たとえ新人であってもあのような大役に選ばれることはあるわけですね。(ランカ役の場合、「マクロス」が歌を重視するアニメであることもあり、歌唱力も審査基準だったそうです。)
独学で声優になるのは厳しい
声優としてお仕事をするには、前項でもお伝えしたように、オーディションを受けることが必要となります。このオーディションというものについて、独学だと厳しい点が3つあります。具体的に解説していきます。
独学で声優になるのは難しい理由①
独学で声優になるのが難しい理由の1つ目に、受けられるオーディション自体が少ないということです。
養成所や事務所などに所属せず受けられるオーディションとして「一般公募」というものがあります。しかし、この一般公募のオーディションというものは数が少なく、また母数も多いことから倍率も非常に高いことが考えられます。
独学で声優になるのは難しい理由②
独学で声優になるのが難しい理由の2つ目として、オーディションの情報がなかなか入ってこないということがあります。
「声優になりたい!」と思うからには、常にそれらの情報にアンテナをのばしているものとは思います。ですがやはり、学校や養成所などその業界に身を置いている方が、圧倒的に多くの情報を受動的に得られることでしょう。
独学で声優になるのは難しい理由③
最後の3つ目としては、履歴=信頼が見劣りするということです。こういう言い方をしてしまうと元も子もないですが…。声優業界は、実力主義の強い業界ではありますが、仮にオーディションで審査する側の人の気持ちで考えてみましょう。
審査対象の演技については同じくらいの実力である2人がいたとして、1人は「人気声優さんも数多く輩出する有名な養成所から送られてきた、それなりにバックグラウンドがはっきりした人」、もう1人は「声優業界において一切情報がないので、もしかしたら基本的な知識すらないかもしれない、最悪収録に支障をきたすかもしれない人」、どちらか1人にギャランティを支払って役に起用するとき、あなたはどちらを選ぶでしょうか。
これは極端な例かもしれませんが、例え端役であろうとも、お仕事を依頼する側としては、やっぱり信用の高い人にお願いしたくなるのが信条ですよね。
以上の3点から、独学で学んでいる人が、実際に声優としてお仕事を貰うことがかなり難しいということが分かっていただけるかと思います。
独学で声優になるための練習方法はない?
独学で声優になるのが難しい理由として、そもそもの練習方法について、という側面も挙げられます。その内容ですが、大まかに分けて2点考えられます。
まず1つ目に、声優として「役」を演じる際に必要とされる「演技力」についてですが、1人きりでの練習では身につきにくいということです。セリフ自体を滑舌よく、すらすらと読むことは出来るようになっても、それが「演じる」となると話は変わってきます。抑揚の付け方や間の取り方、演劇をやったことのある方なら分かるかと思いますが、非常に難しいです。
また相手のある掛け合いの場合には、やり取りのスムーズさ、会話のテンポ感も重要となってきますが、これらはどうしても1人だと練習がしにくいでしょう。
2つ目に、練習において目指すべき正解がよく分からないということがあります。独学での練習の場合、自分で発声した内容を、その都度自分の耳で、または録音や録画して、その成果を確認することになるかと思います。
しかし、どうすれば理想的な物になるか、それを素人である自分で判断するのは非常に難しいことでしょう。
場合によっては間違った方向へ突き進んだり、変な癖が付いたりすることで、むしろデビューが遠のくといった危険性も考えられます。
以上の2点からも、実は「声優を独学で学ぶ」ということ自体、かなり難しいことだと言えます。
声優になるために今からできる独学での練習法
では、声優になるために、自分1人で練習出来ることはないのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。インターネットなどで「声優 練習」などと検索すると山ほど出てくるかと思いますが、大きく分けると「発声」「滑舌」の練習が可能でしょう。
「発声」についてですが、声優は声を商売道具としているので、言わずもがな声を出すことが大切なスキルとなります。声を出すと言ってもただ単に喋るのではなく、腹式呼吸を意識した、きちんとした「発声」が必要となります。
そのためには正式なボイストレーニングレッスンを受けることが一番だと思いますが、独学であっても腹筋や背筋などの筋力を鍛えたり、腹式呼吸の練習をすることは出来るでしょう。
また「滑舌」について、アナウンサーの訓練のようにはきはきと喋る練習や、早口言葉の練習などに加え、舌や口の周りの筋肉を鍛えることも含まれます。昨今ではスマホアプリなどでも「滑舌トレーニング」のためのソフトが見られますね。勿論、上記2種類以外にも、やろうと思えばいくらでも独学による練習は可能でしょう。
何が言いたいかというと、「声優としてお仕事を受ける」ことは独学だけでは難しいかもしれませんが、「声優になるための努力」は今すぐにでも始められるということです。仮に養成所に通ったり、オーディションを受けられたとしても、声優として大成するかどうかは、結局のところ本人の熱意次第だと筆者は考えます。
独学だけでプロの声優になるのは難しい
以上が結論となりますが、独学で声優としてお仕事を貰い、食べていくことは難しいのではないかと思います。やはり、「将来は声で食べていくぞ!」と考えているのであれば、専門の学校や養成所など、一度プロの指導を受けたり、業界のお話を聞いてみることも必要となるのではないでしょうか。
一方で、先にも述べたように、呼吸や発声、滑舌など、自分一人でも努力できる事も沢山ありますし、むしろその努力を惜しむのであれば「声優」というお仕事には向いていないでしょう。是非、熱意のある方は、今この時から一歩を踏み出してみてください。
以上、Find Anime編集部からのお届けでした。
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